時空を超えた誇り — Chapter: 04「ともに生きる」

この牧場にたどり着いたとき、最初に感じた違和感のようなものは、思いがけないほどの清潔さだった。いくら乾燥した高地とはいえ、いわゆる動物臭はまったく感じない。滞在中、鼻が曲がるような臭いには一度も遭遇しなかった。

清潔であるためには「動物を常に気遣い、汚れも丁寧にそのつど片付ける」こと。単純だ。しかしこれを継続するのは至難だ。人間に対して動物の数が多すぎるからだ。

だが彼らは気負わず、淡々と愛情を注ぎ続ける。それは人間と動物という関係ではなく、まるで家族に接しているようだ。そして、そのためだろうか、私に近づいてくる動物たちに共通していたのは、警戒心よりも好奇心であった。

いきものを慈しむこころをもち、この牧場に暮らす。それは歴史を受け継ぎ、未来への責任を果たす生き方だ。

この大地で育まれるいきものすべてが役目をもち、それが果たされていく。そして人間であるカウボーイたちもその一員であった。

下の写真は上の写真の一部を原寸で表示したもの。SIGMA DP1 Merrillが微細に捉えた毛並みを見れば、羊たちの清潔さと健康さは一目瞭然だ。ほんとうに大切に育てられている。

牧羊犬は、馬と同じくカウボーイにとっては家族だ。そして、一方の動物たちもそう思っているに違いないのだ。足の悪いソニーが歩いている間は、犬たちは近寄りながらも身動きせずじっと見守っている。そして座り終わった途端に身体を押しつ付けて甘える。そしてそれを褒めるソニー。そこには聞こえない会話が存在していた。

モーリン・ラリーとレスキュー馬・バディ:馬の調教師であるローラと暮らしているというラリーを訪ねた。馬のバディはローラとラリーによって、恵まれたとは言い難い環境から、救済された馬だという。撮影を終えたあと、奥さんのローラがバディの身体をゆっくりと撫でながら労る姿に、彼らの結びつきの深さを感じた。

馬は美しい。大きな瞳、長い睫毛、しなやかに動く筋肉と輝く体毛。そして、たてがみ。SIGMA DP1 Merrillでそのディテールを追うと、驚くほど近づいて撮ることができた。

スコットは、撮影している間、ずっと8歳になる彼の馬・RCに何かを語りつづけていた。何を囁いているのか私には聞こえない。しかし確かにRCはスコットの話を聞き、頷き、理解していた。

  • Chapter: 01「時空の歌声」
  • Chapter: 02「寡黙なる誇り」
  • Chapter: 03「カウボーイの甲冑」
  • Chapter: 04「ともに生きる」

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